とびら
羊年に寄せて
山形 恵子
1
1東京女子医科大学リハビリテーション部
pp.213
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101880
- 有料閲覧
- 文献概要
今年は羊年,キリスト教では善玉の代表として取り扱われている.隣の中国では古くから羊占があり羊の骨で吉凶を占う習慣があったと聞いている.現在の羊は羊群と言われるようにいつも群居し,一歩でも先に飛び出した羊があれば,全体が追従して行く習性がみられる.リーダーに盲目的追従と非難したくなるが,動物学の本には,近視で,音に対する反応がにぶく,従って自己保存の手段として集団行動をとると記されている.理に適した行動なのである.
我々人間は,自分の知識と経験と各種の資料から情報を判断し,行動に移るが,独り独り判断が違えば,意見の相違や誤解,時に非難も生じる.その非難が正当性を欠いても,時の流れによって肯定されることがある.何ともむずかしいものは人間の口と雰囲気である.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.