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昨年は北の国北海道の学会であったが,今年は南の国高知の学会ということで,青い空と海を期待して出席のひと達も多かったと思う.5月16日高知空港に着いた時は,天気予報や気圧配置図を見ながら気にしていた通り,低気圧の接近で梅雨どきを思わせるような降りとなり,会期2日間を通じ参加者を会場に足どめすることに皮肉な効果があったようである.
学会場となった高知県民文化ホールは,明るいまだ新しい建物であった.当初は,第1第2会場と掲示発表会場を予定していると聞かされていたが,第1日の5月17日は第3会場も設けられ,その他に掲示発表会場と4会場を配し,第3会場まではかなりのひとの入りであった.前回の学会の際も増加の一途をたどっている演題の採否につき幾度も討議したが,結局は数題を除きほとんどの応募演題をプログラムにのせた経緯もあって,年ごとに増え続ける演題をどう採否するかは関心事であった.高知では,当初は第2会場までしかとれない,第3会場は掲示発表の会場とする,建物に制約されるので,演題の数も会場と時間に合せざるを得ないといっていた.前回も掲示発表について色々と検討はしたが,幸い会場確保のメドがつき実行に至らなかった.今回の掲示発表については,その方法や参加者のこれへの対応について関心があったので,2日間の会期中,数度この会場へ足を運んでみた.掲示発表の方法は,まず原稿をタイプでうち,これを拡大したものをパネルにして掲示するという方法がとられ,明るく見やすい室内と共に静かな環境は,それなりに細かい配慮が伺われた.初日はこれを丹念に読むひとたちもみられて,論文によっては制限時間内に一っ気に発表されるより,このほうが有効でないかとさえ思われた.学会長もこのはじめての試みを心配してか,この会場に度々見廻る姿を見受けた.
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