印象記
臨床眼科学会雑感
桐沢 長徳
1
,
鹿野 信一
2
,
瀬川 雄三
3
,
早野 三郎
3
1東北大
2東大
3信大
pp.89-93
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203109
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今年の臨床眼科学会は名古屋で開催された。地方での第2回目であるが,東海道新幹線もできて東京から2時間半,中には東京から日帰りで聞きに来られた会員もあり,誠に名古屋も近くなつたものだと感心した。従つて特に地方に来たという感じもなく,ことに日本一の戦災復興を誇る名古屋だけに,道路も建物もホテルも堂々たるもので,市全体がダダッぴろくないだけに,東京よりもかえつて便利な気がしたほどであつた。
さて,今度の学会の特徴は何んといつてもグループディスカッションの多かつたことで,総計20に及んだのはオドロキであつた。グループディスカッションの必要なことは筆者が,かつて本誌で提唱した手前,今更多過ぎるとは言えない義理ではあるが,やはり過ぎたるは何とやらの俗語通り,あまり多過ぎては意味もうすれ,聞く方も右往左往の感なきにしも非ず,今後はせめて10以内ぐらいが適当と思われた。ディスカッションも20ともなると,会場の都合がつかず,そのために4日間に亘るプログラムを組むこととなり,主催校の小島教授もこれには困つたと話されたが,その反動か,明春の日眼総会ではグループディスカションはなしにしたとのこと,何事もほどほどが肝要らしい。
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