Japanese
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特集 内部疾患の理学療法・作業療法
呼吸器疾患の理学療法
Chest Physical Therapy
金子 美奈子
1
Minako KANEKO
1
1東京都養育院付属病院
1The Yoikuin Tokyo Metropolitan Hospital.
pp.447-453
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101708
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はじめに
我国でも大気汚染や人口の高齢化に伴い,慢性呼吸器疾患の増加が社会問題となり,また術後の肺合併症予防を目的として,肺疾患に対する理学療法が重要視されるようになって久しい.疾患の病理や,肺理学療法の技術に関する諸家の成書も多く,今日では理学療法士にとってこの面での知識,技術は一般的なものとなってきている.
呼吸管理は,米国においてはInhalation Therapistが担当し呼吸練習を行っているが,英国では理学療法士がその一端を担っており,幅広く活躍している.彼らにとっては,呼吸管理や肺の状態に対する配慮は決して特別のことではなく,患者の一般状態として捉え対処している.呼吸器専門病院ではもちろんのこと,地方都市の病院でも,理学療法士が独りしかいない遠隔地の病院でも一様に行われている.その幅の広さは,あたかも我国の理学療法士が程度の差こそあれ,誰しもが脳卒中片麻痺に対する知識と治療技術を持っており,それに対処することが出来,しかもかなりのケースに接しているのに似ている.
私は,二年間の英国滞在中に総合病院,老人リハビリテーション・センター,産院,小児病院で仕事をする機会を得た.また実習ではあるが,呼吸器専門病院として有名なBrompton Hospitalや,London Chest Hospitalで理学療法士の活躍振りに触れたのでその一部を紹介し,さらに呼吸管理の基本となる呼吸練習,体位排痰法,咳嗽についてまとめてみた.
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