特集 在宅理学療法の可能性を探る
呼吸器・心大血管疾患における在宅理学療法の可能性
竹村 仁
1
,
安藤 真次
1
,
本田 祐一
1
,
舛友 一洋
2
Jin Takemura
1
1臼杵市医師会立コスモス病院リハビリテーション部
2臼杵市医師会立コスモス病院内科
pp.781-786
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106400
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はじめに
わが国における2011年度死因別順位の2位は心疾患で19万4,926人,第3位は肺炎12万4,749人であり,それまでの3位だった脳血管疾患を肺炎が抜いたと昨年話題になったのは記憶に新しい(表1).また心疾患のなかでも心不全による死亡は6万9,368人で,図1aに示すように過去10年でパンデミックと呼ばれるほど急激に増加している.さらに,慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)の死亡者数は1万6,639人で,男性では死因別順位7位(女性は16位)でこれも増加傾向にある(図1b)1).
また,2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり,高齢者人口は3,500万人と推測されている.当然,疾病患者数が増加していくわけだが,国の施策では病床数の増加は期待できず,将来,相当数の呼吸器・心大血管疾患が在宅理学療法の対象になる時代が来ると予想される.
そうした将来を見据えたうえで,本稿では現状について解説し,実際の在宅理学療法における留意点について述べていく.
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