Japanese
English
講座
運動学シリーズⅥ 足部と足関節の運動学(1)
Kinesiology of Foot and Ankle Joint(Part I)
丸山 仁司
1
Hitoshi MARUYAMA
1
1東京都板橋ナーシングホームリハビリテーション室
1Tokyo Metropolitan Itabashi Nursing Home.
pp.525-535
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101515
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
足の機能としては体重支持1),歩行,走行などがあげられるが(表1),発育により足の役割2)(24週で体重支持,48週で歩行,2年で走行)も変化する(表2).ヒトの系統発達の中で神経系などは頭端移動の法則により頭部に,骨格(移動など)は足部に集中している.直立歩行は,四つ足歩行から前かがみの半直立姿勢(ヒトニザル)になり,そして直立位に,または手をもって木の枝から枝へのぶら下がりながらの運動(brachiation)により直立のかたちとなり,これが地上に降り直立位,の2説がある.いずれにせよ,足の負担が大であるため,直立姿勢の土台(足部および足関節の構築)が強固でなければならない.フランスの諺に「足は正しい姿勢の母である」,「足は身体を支配する」があり,また足をみて全身状態,性格なども判断する人もいる.
足の動きは,骨の形態,関節面の形状,靱帯と筋の起始,付着,走行などにより,運動方向が定められる.ここでは解剖学的にみた運動学を中心とし,足のアーチ,歩行時の足について述べる.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.