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講座
運動学シリーズⅤ 膝関節の運動学(3)
Kinesiology of Knee-Joint (Part3)
山下 隆昭
1
Takaaki YAMASHITA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
pp.285-290
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101455
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10.膝関節の筋肉
1)伸筋
大腿四頭筋は強力な膝関節の伸展作用をもつ.すなわち,ヒトが起立位を取るための最も基本的で重要な筋肉である.Smillie28)によるとその機能不全は図1の如き悪循環を生じ,増々筋の弱化を招く結果となるので,これを打破する唯一の手段は大腿四頭筋強化訓練であると指摘している.
大腿四頭筋は内側広筋,外側広筋,中間広筋および,二関節筋である大腿直筋の四つの筋よりなる.これらの各筋の作用方向は,Lieb15)らの6体の切断肢での筋走行の実測によれば以下の如くである.大腿直筋:7~10°内側(前額面),3~5°前方(矢状面).外側広筋:12~15°外側(前額面).中間広筋:大腿骨前面にほぼ平行.内側広筋では,二つの部分に分け,上部線維を内側広筋縦走部とし,15~18°内側,下部線維を内側広筋斜走部として,50~55°内側への走行を持つ(図2).
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