Japanese
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特集 理学療法最近の進歩
褥瘡の予防―特に生体に加わる圧迫の影響について
Prevention of decubitus ulcer
山田 道廣
1
Michihiro YAMADA
1
1都老人総合研究所リハビリテーション医学部障害研究室
pp.27-35
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101398
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Ⅰ.はじめに
人間が眠る場合は,同一姿勢で眠っていることはなく,通常健康人では一晩に20~40回13)も寝返りを打っている訳であるが,これは褥瘡の予防を考える上においては重要なことであり,生体の同一組織に持続的な圧迫を避けるという点においては理に叶っている.
この様に健康人が無意識のうちに行っている寝返りが打てなくなった様な患者や老人においては,しばしば褥瘡を発生する.一旦発生した褥瘡は治癒までに長期間を要することが多く,早期予防対策(特に圧の軽減対策)が重要であることは論をまたない.我々はこの圧迫の問題について,まず健康人における体圧分布の基本的特性を確認することで,褥瘡予防(特に物理的対策)に応用できるものであると考え,生体に加わる圧迫とその影響に焦点を絞り,筆者の未熟な経験を通してこの問題についてふれてみたい.
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