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特集 難病
重症筋無力症―概説,診療,生活指導,リハビリテーション
Myasthenia Gravis
宇尾野 公義
1
,
花籠 良一
1
,
半田 健寿
1
Uono Masamori
1
1東京都立府中病院
pp.677-682
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101297
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Ⅰ.重症筋無力症概説
重症筋無力症(以下MGと略す)は全身屑骨格筋の生理的範囲を越えた易疲労性および脱力(麻痺)状態を来す疾患で,少なくとも発病初期には休息により軽快し,また朝のうちはよいが午後になると悪化するなどの日内変動が特長である.その他感染(とくに上気道感染),心因性要素,ストレス,抗生物質や安定剤の使用などで悪化し,また女子では月経(とくに前期)・妊娠・分娩時に増悪し,ときに呼吸筋障害を上とするクリーゼの危険に陥入るので医師,看護婦.パラメディカルの関係者はもちろん患者および家族は疾患の特質を充分配慮することが必要である.
多くは眼瞼下垂,複視あるいは兎眼など眼症状をもって初発し,ついで頚筋・四肢筋脱力を来すものが大部分であり,さらに言語・嚥下・咀嚼障害などを来すが,呼吸障害および筋萎縮(舌・肩甲上腕部などに多い)合併に注意する.平滑筋は通常おかされない.また知覚障害はない.
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