Japanese
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特集 難病
悪性関節リウマチ
Malignant rheumatoid arthritis
東 威
1
Azuma Takeshi
1
1東京大学物療内科
pp.683-686
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101298
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Ⅰ.慢性関節リウマチ(RA)と悪性関節リウマ(MRA)
RAは関節炎を主病変とする疾患であるが,決して関節のみの疾患ではなく,全身性結合組織疾患である.したがって,関節炎以外にも多影な症状を呈するが,その主なものを表1に示す,Gordonらは127例の入院RA患者について調査し,1種類以上の関節外症状を有するRAは76%で,関節炎活動性の持続している例,又,血清リウマトイド因子の高い例に多いと報告している1).
これら関節外症状の中で,血管炎に起因する症状は,出血,心筋硬塞など生命の予後にも影響し血管炎を伴うRAの死亡率は伴わないRAの2倍といわれている.このように予後不良という意味で血管炎を伴うRAは占くから重視されていたが,概念の統一がなく,多発動脈炎(PN)との合併,又はRAからPNへの移行例と診断されている場合も少くなかった.1954年にBevansらは,剖検で組織学的に著明な壊死性血管炎を認めたRAを報告し,このようなRAはMRA,Malignant rheumatoid arthritisあるいは関節炎arthritisという表現よりも,むしろ全身疾患という意味でMalignant rheumatoid diseaseと呼ぶことを提唱し,これをRAの特殊な型としてとらえるきっかけを作った.
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