メディカルプログレス
血液凝固・線溶系について/自閉症(6)―成因の検討
石川 友衛
1,2
,
佐々木 正美
3
1日本大学医学部生理学教室
2国立療養所付属リハビリテーション学院生理学
3神奈川県児童医療福祉財団・小児療育相談センター
pp.465
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101242
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血液凝固はHageman因子といわれる第Ⅶ因子の活性化で始まり,次々に凝固因子の活性化がおこって最終的にはフィブリノーゲンが不溶性のフィブリン(線維素)になる過程であって,3相に分けられている.近年凝固の結果生じた線維素を溶解する過程である線溶系の研究が進んで,重要な系として認識されるようになった.線溶系の最終段階で作られるプラスミンは,血漿蛋白の1つであるフィブリノゲンには殆んど作用せず凝固系の最終段階で作られるフィブリンにのみ特異的に働くという意味から考えると,線溶系を凝固系の第4相と考えることもできるわけである.そこで線溶系も第Ⅶ因子から始まる線維素形成がなければならず,線維素にのみ限定して分解酵素が作用する点についての研究が進んでいる.これは限定分解をする酵素を抑制する物質を使って,酵素蛋白構成のアミノ酸配列の意義を見出そうとしているようである.
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