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“手の動作とその基礎”“リハビリテーション工学からのアプローチ”と,手指の運動学について述べられてきているが,今回は,手指・母指に関与すると思われる23筋の作用とその作用によって生じる現象(効果)との関係について,今迄,いろいろな研究報告がされており,それらを中心に,基本運動での働きと目的動作時での働きの二つの立場から手指の運動をまとめ,母指については,Ebskov(1970)の研究報告を中心に筋の作用についてまとめ,最後に,Extensor Mechanismについても少し触れてみたい.
手指,母指の運動に関する筋の役割に関する研究は,古くは,Cloumbus,Galen,Fallopia(1516)8)らの虫様筋(Lumbrical)と骨間筋(Interossei)の解剖学的な研究がある.その後,Winslφw(1776)5)が…the experiments made on dead bodies,by pulling the muscles―are very dallacious”と述べているように,屍体の筋を引っばる方法は,運動学を研究する方法としては,正しくないと述べているにもかがわらず,1900年代の前半世紀は,その解剖学的な研究方法が中心であり,Beevor(1903)Time1(1917)Wright(1928)Cvonlans(1935)Mckenzie(1940)Landsmeer(1949)らが次々と研究報告を出している.また,Eyler,Markee(1954)Schenck(1964)らは,手内筋(Intrinsic muscles)外来筋(一部:Extrinsic muscles)について起始付着に関する研究報告を出している.これら解剖学的な研究の中心は,やはり,Bunmell,Kaplan,Kapandjiであり,それぞれの著書に各自の見解を述べている.
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