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講座
手指の障害学(臨床編) 3.屈筋腱損傷・知覚の再学習・強直手を中心とした手の治療訓練
Impairments, Disabilities and Handicaps Related to the Hand Injury. 3. Hand Therapy for Patients with Flexor Tendon Injury, Nerve Injury and Stiff Hand
矢崎 潔
1
Kiyoshi YASAKI
1
1大野中央病院
1Oonochuo Hospital.
pp.323-331
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103784
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はじめに
手の外科の国際学会が田島教授を学会長として1986年11月東京で開催された.筆者は,手のリハビリテーションに携わって10年以上になり,いろいろな学会に出席してきたが,今回の学会では,ある程度手の外科の分野が体系化されてきたように思う.また,より早く,正確に,そして,可能なかぎり元の能力を獲得するために必要なOT,PTへの医学的情報が随所にみられ,一歩一歩確実に進歩しているようであった.最近,米国の手のリハビリテーションセンターを3カ所程見学をしてきたが,福祉・医療面で予算をカットしている現政権下においても,Hand Therapy(手のリハビリテーション:ハンドセラピー)は,医師らとの密接な関係を保ちつつ,過去3年間(著者は3年前まで米国で7年間,主にHand Therapyを行って来た)大きく発展していることが伺える.ただ,米国のシステム化されたものを,そのままわが国に輸入しても機能を果たすものではない.リハビリテーション技術そのものについても同様である.手のリハビリテーションを目標とするOT,PTが一緒に同じ場所で働くことのできるような新しい医療システムもわが国に必要になるであろう.
今回は,手のリハビリテーションで対象となる代表的な3つのアプローチを取り上げ,そのHand Therapyについて話を進める.
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