特集 精神薄弱
<随想>
精神薄弱に対するセラピー
鷲田 孝保
1
1神奈川リハセンター
pp.272
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101199
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私が,現在精神薄弱に対して行っているセラピーは,食事を中心としたADL訓練と,Hyperactiveな者に対する動作模倣訓練である.I君もその1人で,入所後2年近くになるのに,スプーンをもとうとせず自分で食べられない.何が問題なのか評価をかねて,私の所へまわってきた.彼は,アソビの中では,好きなオモチャを口まではこんでなめているし,言語表出はなく意思の疎通は不十分としても,機能的に食事が出来ない状態ではない.
私は,マジックバンド付の食事用ディバイスを使用し,行動変容技法によって訓練すれば,一人で食事が出来るようになるにちがいないと内心思いながら,翌日より食事訓練を開始した.
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