メディカルプログレス
生体観測について/自閉症(2)神経学的徴候
石川 友衛
1
,
佐々木 正美
2
1日本大学医学部第一生理学教室
2東京大学病院精神神経科
pp.145
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101170
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観測には歴史的にみて,①形態に対応して機能をみる方法があり,常に形態によって分類して行く方法である.この方法では,形態をよりミクロのものへと分化させろと,原子模型や化学構造などが示すように,始めの形態とは異なる抽象的なものになってしまうだろう.しかし抽象化されても,機能の追求はできるのだからといっても.この方法の積み重ねだけが生体機能追求の唯一最良のものではない.
次に②生体機能を物理的または化学的な立場から分析しようとする方向である.これは研究手段からの分折であって,形態の「対応」に対して,研究手段の「分析」といえる.この分析では,物理や化学の分野で発見されている法則が生体にどの程度まであてはまるか,という問題にぶつかる.はずれるところも生体の特性であろうから,その特性についてさらに分析を進めることになり,生体の研究でなく,生体材料の研究になるだろう.
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