The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 2
(February 1976)
Japanese
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Ⅰ.はじめに
ペルテス病については,1910年にCalve,Legg,Perthes等により報告されて以来,多数の報告がある.病態は,一般には大腿骨骨頭および頚部の栄養血管障害(虚血性壊死)とされているが,その総てについては未だ解明されていない.発症年齢は,4~8歳にかけて多く,性別は,男:女は約5:1となっている.初発症状としてその多くは,跛行,疼痛を来たし,少なからず股関節運動制限(主として外転,内・外旋),筋萎縮を伴なっている.レ線所見としては,病期に従って特徴のある形を示す(後述),治療法については,初期には安静,牽引を行ない,以下の方法がとられている.
1.保存的療法
1)歩行させないもの
各種ギプスおよび装具(主に股関節外転,内旋位).
2)歩行させるもの
荷重させるもの:各種ギプスおよび装具(Tronto orthosis,craig splint等)
荷重させないもの:股関節中間位坐骨結節支持免荷装具,Snyder型sling,Trilateral socket orthosis,Pogostick装具等.
2.観血的療法
1)骨頭求心位保侍のため.
Salter骨盤骨切り術,大腿骨骨切り術等.
2)骨頭への血流再開あるいは血流促進のため.骨穿孔術,骨釘移植術,有茎関節包弁術等.
諸家により,これら種々の方法がとられているが,治療期間の短縮,骨頭変形防止がその中心となっている.尚,各種装具については,渡辺等により詳しい検討,報告がある.
以下当園における管理体系およびそれに基づく運動療法について,又,治療成績(レ線上,運動療法),その他の問題点について述べる.
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