第47回日本整形外科学会総会より
ペルテス病<総合討議>
島津 晃
1
Akira SHIMAZU
1
1川崎医科大学整形外科学教室
pp.821-825
発行日 1974年10月25日
Published Date 1974/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905057
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まえがき
ペルテス病はWaldenström,Legg,Calve,Perthesによつて独立した疾患として取扱われるようになり,60余年を経過し,多くの臨床経験,病理組織学的知見が積まれたが,その間,いろいろの立場から多様な治療法が行なわれてきた.その目標は罹患骨頭を,変形を起こすことなく,いかに早く修復させるかにあり,これが修復能の盛んな年齢の疾患である関係上,成長期のおわるまでの長期の観察によつて評価するのが適切であることは言をまたない.今回の整形外科学会総会には,こうした考慮のもとに10年以上の経過を追跡した成績にしぼつて演題が募集され,その8題を一括して,西尾教授の座長,上野助教授の副座長のもとに,私が紹介発言を行なつて総合討議が行なわれた.
本症の本態に関する知見は,最近の20年間に急速に増加し,とくにここ10年間には骨頭核の虚血からはじまる一連の病理変化が明確にされてきている.各演者の10年以上の経験は,それを生む足掛りを提供したことになつたが,新しい観点に立脚した治療法ではないことを,まずことわつておく必要がある.総合討議であるからには,最近の知見に当然ふれなければならず,これを紹介発言のなかに述べた.
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