Japanese
English
研究と報告
膝全置換術後の理学療法―特にShiers型とCoventry型について
Physical therapy of Patients with total knee replacement
中山 彰一
1
Shoichi NAKAYAMA
1
1九州労災病院理学診療科
pp.391-396
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101035
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
最近,慢性関節リウマチや変形性関節症で股関節や膝関節が破壊された重度障害者や,歩行不能のために長期臥床せざるを得ない患者に対し,人工関節による関節再建術が盛んにおこなわれ,日常生活や社会復帰に大いに貢献している.
荷重関節における人工関節の利点は,第1に変形を矯正し,第2に無痛性で支持性が良く,第3にある程度の動きのある関節を再建できることにあるが,その他早期離床と早期社会復帰が可能であるということである.
実際に我々が膝関節全置換術患者の理学療法を行う際に,最も力を入れなければならないのは膝関節の可動域改善である.中でも特に屈曲可動域制限は,我々の日本生活様式においては非常に患者を悩ませ,所作活動制限因子である.過去5年間の当院での膝関節全置換術の症例においても屈曲が充分得られず日常生活動作が制限されたままの症例も少なくなく,この種の症例に対する理学療法のアプローチの難しさを痛感してきた.
そこで膝関節全置換術の後療法,その実施上の問題点,屈曲障害因子等について検討したので報告する.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.