特集 ADL
<随想>
精神科とADL/ADL評価反省記
富岡 詔子
1
,
谷岡 淳
2
1日下部病院
2自治医大リハセンター
pp.202
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100988
- 有料閲覧
- 文献概要
Kさんは精神分裂病で5年程入院している人だが,生活指導,集団精神療法,作業療法など,密度の濃いはたらきかけが効を奏し,そろそろ社会復帰を考えてみようかという段階までになった.関係者は多少の不安はあったが,本人も希望しているしということで,外勤へ出すことにした.ところが2日間通っただけで具合が悪くなり,外勤は中止された.「いつも十時にトイレに行ってたのにできなくなってしまったから……」というのが本人の弁であった.よもや,トイレの時間の事で外勤がダメになってしまうとは,本人は勿論,関係者の誰一人として予想すらしていなかったのである.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.