特集 日常生活動作
<随想>
日常生活動作評価の意見
濱田 輝一
1
1国立療養所長崎病院
pp.61
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102559
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日常生活動作(ADL)評価について,少し原点から考えてみたので私見を述べる.
1.ADLとADL評価の目的:ADLの定義については,今なお論議多きところだが1),1976年リハビリテーション(以下リハと略す)医学会評価基準委員会の報告によれば,ADLは「家庭における身のまわりの動作(self care)」で,評価する対象は,「残存する身体運動機能」としている.そのためか「ADLの基本となる動作の分析に注目すべきでADL評価は不必要」とする意見もある.そこで,ADL評価の必要性を原点から考えてみる.本来われわれは,人間生活の再建を目指している.この生活とは動作ではなく2),意図,もしくは意味づけのある運動・動作としての行為actionを意味し,これがADL(Aはactionから生まれたactivityの複数形の頭文字,そのためADLは日常生活行為という訳が適切)といえる.
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