The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 8, Issue 12
(December 1974)
Japanese
English
研究と報告
いわゆる非定型タイプの先天性筋異栄養症児の歩行不能になるまでの過程―2例のケースの検討より
The Process of the Atypical Congenital Muscular Dystrophy Child Gait
菊地 延子
1
Nobuko KIKUCHI
1
1東大病院リハビリテーション部
pp.749-754
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100938
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はじめに
本来の先天性筋異栄養症(congenial muscular dystrophy,以下CMDと略す)の患者のほとんどは,その短い生涯を通じて歩行能力を獲得する迄に致るものはいないと云っても過言ではない.その多くは運動発達の最大能力として到達する点は,いざり或いは,まれに四つ這い位が自由に可能になるか,或いは比較的状態の良いもので長下肢装具(伝い歩きもしくは片手支持で)での歩行可能児が今迄の最高の運動能力獲得の範囲となっている.
それに反して非定型タイプ(或いは良性とも云われる)と呼ばれる定型タイプから比較すると運動面や知能面で発達のやや良いタイプがあり,2~3才迄に支持なしでの歩行が可能なグループがある.しかしながら,それらの患者もやがてはslow down hill courseを経て数年後には定型タイプと同じ歩行不能な状態へと落ちていく事が観察された.
当リハビリテーションセンターで経験した2例のケースで歩行不能になる迄どのような過程をとっていったか,その過程を報告する.
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