Japanese
English
特集 呼吸をめぐる論争
IIPの定型例と非定型例
Usual and unusual type of idiopothic intetitial pneumonia (IIP)
本間 行彦
1
Yukihiko Honma
1
1北海道大学医学部第一内科
1Dept. of Internal Medicine I, Hokkaido University, School of Medicine
pp.33-39
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204578
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近年,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneu—monia,IIP)の特に病態を検討する過程で,欧米とわが国では対象とする症例が若干違うのではないかと,疑問が出されるようになった。その中心的課題のひとつはIIPにおける末梢気道病変の有無に関するものであり,他のひとつは気管支肺胞洗浄液検査(bronchoalveolarlavage,BAL)所見に関するものである。
アメリカNIHグループのCrystalら1,2)は,呼吸生理学的及び病理学的検討により,IIPには末梢気道病変が高率にみられることを述べ,また,BAL中に好中球の増加することがIIPの特徴的所見であると述べた。一方,わが国では,山中3)がわか国における多数のIIP症例の病理解剖所見を検討・整理して,LiebowのUIP系列4)のみをA群(=IIP)とし、末梢気道病変を有するものはB群(LiebowのBIP系列に対応)として厳密に区別した。わが国の厚生省研究班を中心としたこれまでのIIP症例についての検討は,厳密に山中のA群についてのものと考えてよい。そして,これらの症例の検討結果では,病理学的に当然ながら末梢気道病変がなく,著者らの呼吸生理学的検討5)でも,V-V曲線の異常にみられる一見末梢気道病変の存在を推測させる成績は,肺気量の減少のみによって説明可能であると推論した。
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