The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 8, Issue 12
(December 1974)
Japanese
English
展望
熱傷に対する理学療法
Physical Therapy for the Burn Patients
尾郷 賢
1
Ken OGO
1
1杏林大学医学部形成外科
pp.741-743
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100934
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熱傷治療における理学療法の役割は,非常に大きなものである.熱傷受傷前に患者が有していた機能と能力を,出来るだけ完全に,かつ早期に回復させるために,外科的治療と並行して,理学療法的考慮をくばる事が,かけがえのない重要性を帯びて来るのである.
熱傷患者に見る機能的及び器質的障害には,拘縮,関節強直,関節脱臼,褥創,四肢切断,筋力低下,末梢神経障害等がある.熱傷による組織損傷の程度により,四肢の切断とか,拘縮とかは,避けられない事もあるが,他の障害は,適切な理学療法により,ほほ完全に予防可能であり,又拘縮も最小限にとどめる事が出来る.既に出来上った障害に対しても理学療法は,大切な役割を果す.外科的治療の前後療法として不可欠なことはもちろんであるが,理学療法のみによっても,拘縮や,関簡強直を完全に治癒せしめる事も,時には可能である1).また熱傷の局所療法の一環としての水治療法は,創傷処置の無痛化に寄与し,創傷の清浄化を早め,従って植皮の時期を早める事により,後に形成されるfibrosisの絶対量を低下させ,早期リハビリテーションを可能にする.
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