総合講座 産婦人科と脳
性中枢の解剖と機能
五十嵐 正雄
1
,
田谷 一善
1
Masao Igarashi
1
,
Kazuyoshi Taya
1
1群馬大学医学部産科婦人科学教室
pp.281-287
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205023
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
性機能と脳すなわち中枢神経系とが密接な関係を有することは20世紀の初頭において既に報告されていたが,性中枢という概念と,性中枢が視床下部に存在するという学説が現われたのは1932年Hohlweg&Junkmannの研究以後のことである。
しかしHohlwegの発表以来現在までの42年間に神経内分泌学の進歩はめざましかつた。したがつて現在性中枢とは何か,その解剖と機能について論述するとすれば,42年間の進歩を全部取り入れた総説でなければならないが,42年間の長足顕著な進歩にもかかわらず,現在尚未解決のことがあまりにも多い。しかも日進月歩のこの領域で欧米の最新文献まで全部読破して展望することは至難の業である。したがつてこの展望は神経内分泌学専門の研究者にとつては不満足なものとなり,他方産婦人科臨床医にとつては多少難解で,無味乾燥なものになつたかもしれないことを始めにお断りしておく。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.