Japanese
English
症例の検討と反省
脳性麻痺児の随意的意図的運動―寝返り起上り動作を通して
Voluntary conscious movement of cerebral palsy
吉江 利英子
1
Rieko YOSHIE
1
1栃木県身体障害医療福祉センター
pp.275-278
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100818
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はじめに
従来,脳性麻痺(CP)の運動障害に関しては,筋緊張の異常や,姿勢の異常の面から研究がなされてきた.これらは,被検者の無意識下での姿勢を問題とし,空間的な頭,躯幹,四肢の位置と,それらの相互関係に検討が加えられている.動作時における姿勢の異常については,緊張性反射と,正常姿勢反射の相互関係が問題とされ,研究されているが,その際の随意的意図的運動(Voluntary conscious movement)の考察と,治療上の関連については,論ずるところが少ない.
そこで,今回,腹臥位から仰臥位,仰臥位から腹臥位への寝返り動作,および,腹,仰臥位から坐位への起上り動作,すなわち,一連の随意的意図的運動を通してみられる緊張性反射や正常姿勢反射の臨床像について,考察を加えてみた.また,PTの立場から,種々の随意的意図的動作を通して,変形の予防,ADL上の改善,訓練意欲の助長等の問題についても,個々の症例を通して,検討した.
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