Japanese
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ジャノメチョウの目玉模様は,「目」が動物にとっていかに印象的な存在であるかを物語っている。確かに,目は口ほどにものを言う。それは目の大きさでも色でもなく,「目の動き」である。ふだんあまり目を動かすことのないウサギの感情を読み取るのは難しい。それにたいし,われわれの視線は興味ある対象の上をサッケードで跳び回る。このとき視線は選択的注意の方向そのものである。ところが一方で,目はしばしば自動的運動に支配される。たとえば,電車から外を眺める人の視運動性眼振はまさに「不随意的眼球運動」である。これに関しては,ウサギもヒトと同様である。
興味深いことに,随意的なサッケードと視運動性眼振の急速相とは物理的にはほとんど区別がつかない。この事実だけから次のようなことが推測できる。脳のどこかに急速眼球運動の発生装置がある。そして背後でこの装置をあやつるものは,随意的サッケードと不随意的眼振の場合で異なるのであろう。
Abstract
Stabilization of retinal images is the first re-quirement for visual perception. It is crucial for freely moving animals to have an ability to move their eyes so as to compensate for body move-ments. This is accomplished by two comple-mentary neural mechanisms, vestibulo-ocular reflex and optokinetic response. Deviation of eye posi-tion resulted from these reflexes, however, must be reset;this is done by fast eye movements called quick phases.
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