Japanese
English
研究と報告
簡易上肢機能検査の試作
A simple test battery for testing hand function.
金子 翼
1
,
生田 宗博
2
Tasuku KANEKO
1
,
Munehiro IKUTA
2
1都心身障害者福祉センター肢体不自由科
2横浜市大病院リハビリテーション部
pp.197-204
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100802
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はじめに
すべての処置の先行として,又治療の流れの中で,評価,再評価の重要さは常に強調されてはいるが,現実問題として,人的・時間的・経済的な制約から,必ずしもそれが充分に実施されているとは限らない.
そこで今回は,上肢における随意運動の適確さ,なめらかさ,速さ,巧緻さを大まかに検査する手段として,しかも以下の如き条件を具備する,簡易な機能検査を試作した.
(A) 短時閥に実施できること.
(B) 検査方法が簡単であり,誰にでも容易に実施できること.
(C) 運動方向による機能状態の比較が可能なこと(たとえば対象物を右側から左側へ移す場合と,左側から右側にに移す場合の相違があるか否か).
(D) 対象物の大きさ,重さ,そして形による機能状態の比較が可能なこと.
(E) どの種の障害者にも利用され得ること.
(F) 健常者との大まかな比較が可能なこと.
(G) 携帯に便利なこと(家庭訪問指導の際に携帯できること).
(H) 比較的廉価なこと.
又,以上の様な条件を満たすために作成するにあたり,次の事が考えられた.
(A),(G),(H)の条件を満たすためsubtestと対象物の数を可能な限り少なくする(このことにより信頼性は低下するが).又,本来はすべてwork limit methodであるが,time limitを設定し全検査に要する時間を短縮する.
(B),(C),(G),(H)の条件を満たすために,木製の検査台を作成し,折りたたみ式にする.
(B),(D),(F)の条件を満たすために検査表を工夫する.
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