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Ⅰ.はじめに
メマイ・平衡障害の臨床においては,いろいろの検査が行なわれている。眼運動機能の検索も重要であり,そのうち,補助的診断法のひとつとして,視運動性眼振検査の重要性が今日ますますクローズアップされている1)。しかしながらその検査装置は高価であり,設置場所もかなりの場所を要し,操作も複雑でそれに要する検査時間も少なくない。このことから特定の大病院を除いては,この検査を行なうことが必ずしも容易ではない現状にある。日常の外来検査,とくにスクリーニング検査においては,第1に簡便さが要求され,同時にその成績が精密であることが望ましい。従来の巻尺などを用いた検査は,その簡便さにおいては理想的であるが,視野が狭く,しかも刺激の連続性に乏しい。
これらの理由を考慮して,われわれはBárány2)3),Jung4)ならびにWilhelm Buschら5)にならつて,紙製の手持ち式ドラムを試作し,一般外来や病室廻診に利用し,検査の簡便さとともにその成績においても十分なるデータを得られることを知つたので,その成績を報告しご批判を請う次第である。
Based upon the theory advanced by Bárány, Jung and Wilhelm Busch, the authors devised a simplified OKN testing apparatus composed of paper. The test results obtained by this new device is no less efficient than that of the regular costly apparatus.
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