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簡易パス分包器の試作例
森岡 大三
1
,
篠原 俊雄
1
,
大崎 実
1
1国立大田療養所
pp.855-856
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201425
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結核化学療法剤パスの出現は,結核に悩む人々にとつては将に旱天に慈雨であり,今や着々とその成果を挙げつつある事は万人の等しく是を認める所である。然もパスの需要は日々増加の一途にあり,今後更に対結核戦の有力な武器として活躍するであろう。是は誠に慶ぶ可き事ではあるが,此処に困つた事はパスの使用が増加するに連れて是を分包して患者に投与する薬局勤務者の負担が異常な増加となつて来たのである。今日午後の半日をパス分包に費して居ると言う現象は各病院,療養所の薬局の各所に見られる所である。勿論数十万円もの高価な分包器はあつても,予算的に購入も困難であり,然も薬局勤務員の増加等も簡単には望み得ない状態で,何処共謂はば悩みの種でもある。当療養所に於いては此のパス分包解決の為半歳の研究苦心を経て,最近簡易な分包器を作り上げたのであるが,簡単な構造にもかかわらず非常な好能率を挙げ得る事を確認したので此処にその大略を紹介し度いと思うものである。
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