プラクティカル・メモ
Elastic Knee Splint
大川 達也
1
1順天堂伊豆長岡病院
pp.774
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100723
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片麻痺のKnee Splintは,いろいろ工夫されて各病院で試みられているようであるが,まだ実用性,機能面において決定的なものはない.例えば,従来LLBが多く使用されていたが最近ではよほどのことがない限りあまり使われていない.これは使用後短期間でSLBに移行できること,機能的にマイナス面の方が多すぎること等の原因がある為だと思われる.更にLLB必要者に,SLBにプラスチック製のSplintを取りつけて,膝のSupportをしている所もあるが,これも一長一短で将来に残す問題が多い.例えば,プラスチック類の硬性のものであると,歩行時膝に可動性を少しも求められない為にそのヒズミが股関節に現れること,更に可動性を制限していることは,生理的な感覚入力を股,膝に与えられない等のことが考えられる.
そこで当院においては,躯幹股関節の異常パターンを最小限にくい止め,かつ歩行初期より生理的感覚入力を最大限に取り入れて,正常歩行パターン獲得の為に,図のようなKnee Splintを使用し良い結果を得ているので紹介する.我々はこれを便宜上弾力性Knee Splintと呼んでいる.
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