海外だより
PT,OT教育養成についての海外情報
五味 重春
1
Shigeharu GOMI
1
1都立府中リハビリテーション学院
pp.453-458
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100651
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まえがき
最近に至って日本の政治はようやく人間尊重に眼をむけられ,行政的にもリハビリテーションと福祉が大きくとりあげられるようになったことは,同慶の至りといえる.
綜合的なリハビリテーションの中で,医学的リハビリテーションを支えてゆく医療従事者の教育養成は,一朝一夕に成るものではなくきわめて地味ではあるが,重要な問題である.
わが国において医学的リハビリテーションにたずさわるPT,OTの養成が始められてから10年になるが,いまだ軌道にのったとはいえない.
リハビリテーションの普及とくに施設設置の急速な進展にともない,人材の不足はますます大きな問題となっている.
著者が肢体不自由児の療育(リハビリ)の現場から,PT,OTの教育養成の仕事にはいり,現在多くの問題を抱えているが,原点に戻ってこれらの教育の将来を考えるため,世界PT連盟(WCPT),世界OT連盟(WFOT)から質料を集めていた.
はからずも今回シドニーにおける世界リハビリ会議,リハビリ医学セミナー(別に報告)参加の機会を得たので,その途中に視察したニュージーランド,オーストラリア,香港,台湾におけるPT・OTの教育養成の実情を報告したい.これらの国々は,欧州とくに英国と米国の両方から影響を受けているので,かねがね興味を感じていた.
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