ST（Sensitivity Training）とは何か

What is sensitivity trainig

　じめに

　邦訳では感受性訓練と呼ばれ，小集団による特殊な学習訓練のことを指しており，その集団のことを普通Tグループと呼んでいます．知的練習を目指した普通の研修会などとは違い，情緒的体験も含めてきわめて直接的な体験学習をねらいとしているので，こうした文字ではなかなか伝えにくい面を持っています．しかしそもそもSTをOT関係に導入したことについては，私もたいへん責任がありますので本文を依頼されることになりました．

　一昨秋OT協会の某氏から，毎年開催している研修会の内容について相談を受けたのですが，そのさいたいへん無責任に講師を並べて講義を承るような研修会はやめたほうが良い．研修生が自主研修するような企画を立てなさいなどと放言してしまったのです．ところが幸か不幸か協会のほうで私の提言をとりいれて下さり，やがてそれが石和における研修会（後掲，座談会参照）の形式になってしまったわけです．

　この研修会では，初日がグループダイナミクスというテーマと講師だけが決められ，自由討議の形がとられ，2日めに心理劇と進み4日めに無構造の集団自主学習（最も一般的な感受性訓練の形式）が行なわれ5日めはテーマつき自主学習，6日めに総括というプログラムで進行しました．

　その後8月に一度清瀬で2日間のSTが開催され，トレーナーとして私も参加しました．ここでは，2日間という強行日程ではありましたが，それなりの成果はあったものと思っています．以上がOTとSTと私のかかわり合いですが，これからSTの簡単な紹介をしていきたいと思います．前に述べたような理由でたいへん書きにくいので，OTのA氏との対話という形式をとらせていただいて目的を果たしたいと思います．