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特集 精神科作業療法の治療手技
音楽活動
Music Activity
松井 紀和
1
Toshikazu MATSUI
1
1山梨大学保健管理センター
1Health Center, Yamanashi University.
pp.509-516
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102901
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Ⅰ.はじめに
作業療法でいう作業(activity)にはほとんど無数といって良い位の種類と拡がりがあるわけであるが,その中でもある種の作業を使う場合は,特別な呼び名で呼ばれることが多く,また,歴史的にも作業療法とは別個に発達して来ているものが多い.それは,たとえば,レクリエーション療法とか,絵画療法,音楽療法,体育療法,舞踊療法,演劇療法等々である.
作業療法ではもちろん作業を媒介にするわけであるが,必ずしも作業の持っている治療的要素のみが治療効果を持っているわけではなく,誰が,どこで,どのように使うかといういわゆる治療構造すべてが治療的意味を生じさせる要素になる.
しかし,何といっても作業療法は作業を使うが故のものであり,ある作業をいかに使いこなすかということは作業療法士の最も得意とするところでなければならないことはいうまでもない.著者は力動精神医学の立場に立つ者であるが,作業療法士あるいは作業療法の学生に接する度に,「治療関係も大切だし,集団力動も見逃せない.しかし,作業療法士は作業の専門家であることを忘れては存在基盤を失うことになる」といい続けている.
本誌のこの特集もそうした考えのもとに編集されているものと思うので,そのような視点から,音楽という活動をいかに使いこなして治療,リハビリテーションに役立てるかというところに焦点を合わせて述べてみたいと思う.
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