Japanese
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展望
人工関節術前後のリハビリテーション
Pre-and post-operative rehabilitation of total joint replacement
五十嵐 三都男
1
IGARASHl Mitsuo
1
1東京都養育院付属病院整形外科
pp.91-95
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100568
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はじめに
四肢の機能として上肢の場合は手の機能に代表されるように細かい精緻な動作が重要でありますが,下肢の場合は体重を支え身体を移動させることに機能の重要性が要求せられます.近年の社会構造の変化とともに,各種の工場災害や交通事故の増加とともに整形外科における進歩として手の外科の大きな前進をあげることができます.
一方下肢についてみますと事故による下肢に対する整形外科技術の進歩もさることながら,人ロ構成の老齢化とともに関節の退行性変化による変形性関節症の増加は大きなものとなっています.
上肢に対する変形性関節症はあまり問題になりませんが,下肢は機能として体重支持が最大の役目でありますから,その構成要素の関節に炎症が起こりますと,そのために歩行不能となり,日常動作への障害は最も大きなものとなります.この際に問題となる関節は股関節と膝関節とであります.足関節が侵されることは非常にまれであり問題となることはほとんどありません.
膝関節の変形性関節症より,股関節の方が疼痛が強い傾向にあり日常動作への影響は大きなものがあります.このような理由から現在までに人工関節も身体の各種の関節のものが考案されておりますが,実際に使用される機会の多いものは第1に股関節,第2に膝関節ですのでこの2つにつき話をしぼりたいと思います.
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