人工膝関節全置換術前の筋力と持久性増強訓練を組み合わせた術前3週間のリハビリテーションプログラムの有効性 -――非ランダム化比較試験

Effectiveness of a 3-week rehabilitation program combining muscle strengthening and endurance exercises prior to total knee arthroplasty：a non-randomized controlled trial

【要　旨】

　目　的：人工膝関節全置換術（TKA）が予定されている患者において，術前筋力および持久性増強訓練が身体機能改善に及ぼす効果を検証した．

　対象および方法：本研究の非ランダム化比較試験は，当院でTKAを受ける予定の変形性膝関節症患者33例を対象とした．14例と19例の患者が非ランダムに介入群と対照群に割付けられた．全患者がTKAを受け，術後リハビリテーション治療が実施された．介入群は筋力，持久性を向上させるための筋力と持久性増強訓練からなる術前リハビリテーションプログラムに参加し，対照群は運動指導のみ行われた．

　結　果：主要アウトカムは6分間歩行距離で，術後3ヵ月に介入群（399±59.8m）が対照群（348±75.1m）より有意に長かった．術後3ヵ月の筋力，visual analogue scale（VAS），膝関節屈曲・伸展可動域（ROM）は両群間に有意差はなかった．

　結　論：筋力と持久性増強訓練を組み合わせた3週間の術前リハビリテーションプログラムは，TKAの3ヵ月後に持久性を改善した．このように，術前リハビリテーション治療は術後の活動性改善に寄与する．