講座
骨X線像の基礎知識(3)―頸椎
大田 仁史
1
1東京医科歯科大学整形外科
pp.603-607
発行日 1971年12月9日
Published Date 1971/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100536
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頚腕症候群として理学療法室で治療を受ける人は腰痛を主訴とする人と同じぐらい大勢おります.頚腕症候群といっても,これは頚部から肩,腕ときには指に至るまでの疼痛や知覚異常をきたす状態を表した臨床的な概念であって診断名ではなく,したがってその原因も骨に由来するもの,軟部組織に由来するもの,あるいは血管に由来するものなど多様であります.更には,変形性頚椎症のような退行変性に原因があるものや,いわゆるむちうち損傷,脱臼,骨折などの外傷が原因となったもの,リウマチ性のもの,結核(カリエス),腫瘍などその原因となる疾患は枚挙に暇がありません.
しかし,理学原法室にて扱う疾患となるとそれほど多いものではなく,代表的なものは退行変性による変形性頚椎症でありましょう.いわゆるむちうち損傷も多い疾患ですが,多彩な臨床症状を呈するにかかわらず,これに特有のX線像というものはないので特にX線像として述べることはないでしょう.
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