講座
骨X線像の基礎知識(1)―腰椎のX線像―正常像
大田 仁史
1
1東京医科歯科大学整形外科
pp.270-272
発行日 1971年8月9日
Published Date 1971/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100452
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骨のX線像をはじめて学ばんとするものにとって,解剖学的に複雑な構造をしている脊椎のX線像を,立体的な感覚でとらえることはきわめてむずかしいことです.X線像は,いわば立体的なものを平画に投影した影絵のようなものですから,よほど解剖学的な関係を頭に入れておかなければ,理解できないでしょう.脊椎のX線像に比較すれば,解剖学的に簡単な長管骨のX線像を理解することは,それほどむずかしいことではありません.
脊椎の普通写真をいろいろの角度からとって別にかかげましたので,どこがどういうふうに写っているのか覚えてください(写真1-5,図1参照).腰痛を訴える患者には,最低2方向からX線をとります.必要に応じては斜位で2方向とります.また脊椎の運動性が問題となる場合は,前・後屈位で側面からとります.断層撮影をすることもありますが,特殊な場合ですから今回はかかげませんでした.
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