特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅷ 社会復帰
脳卒中患者の社会復帰をさまたげる諸問題とその対策
山田 純子
1
,
安部 節子
1
1東京都心身障害者福祉センター職能科
pp.560-564
発行日 1971年11月9日
Published Date 1971/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100525
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はじめに
東京都心身障害者福祉センターにも脳卒中患者が障害者として,他の障害者に混じって数多く来所している.稼働年齢にある人たちが倒れた場合には,医学的処遇が終了後,障害者として新たに社会に適応することが必要となってくる.特にセンターへ相談・指導・訓練を希望して来所した脳卒中患者は,10代を含め20代,30代が半数近くに達し,社会復帰を強力に進めなければならぬ人たちである1).病前の職業に復職する場合も,なんらかの配慮を心要とし,また全く復職が不可能な場合もある.社会復帰の最高の目標は職業人として再び職業生活を送ることであり,次いで一般社会の中で今までの生活に近い生活をしていくことである.
東京都心身障害者福祉センターでは,リハビリテーションセンターとして,脳卒中患者の機能訓練から職業選択まで一貫した社会復帰の援助を行なっている.機能訓練は作業療法・理学療法士が担当し,家庭問題・社会適応はケースワーカーが,職業に関しては職業更生相談員がそれぞれ分担している.本稿においては機能訓錬を除く社会復帰全般にわたり,個々の事例の処遇過程を取り上げ,支障になっている事がらと今後の留意点を報告したい.
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