特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅲ 障害学
片麻痺における骨関節系の合併症とその治療
平方 義信
1
1日本成人病予防会鹿教湯温泉治療研究所
pp.432-437
発行日 1971年11月9日
Published Date 1971/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100499
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はじめに
片麻痺の合併症としての骨関節病変は頻度がきわめて高いものであり,その一部は予防しうる2次性のものであるが,また片麻痺そのものの一部分として,その特徴として出現してくるものも多く,しかもその原因については学者の説の一致していない場合もまれではない.理学療法士・作業療法士としては,予防しうるものは予防するとともに,避けえられなかった合併症(Hirshbergは共存障害ということばを使っているが)に対しては,できるだけの手段をつくして矯正に努力しなければならない.しかし,これらの予防や矯正の手段がときには無用であったり,有害であったりすることにも注意する必要がある.片麻痺のきわめて早期に尖足予防のため,副子を装着したことにより下腿に褥創を作ったり,無撰択に肩吊帯を長期に装着させて肩の内転内旋拘縮を強く起こしてくるような,医原性の2次障害をきたすことは,十分注意しなければならない.
ここでは,(1)拘縮,変形,強直などの異常肢位,(2)脱臼,亜脱臼,関節の異常可動性,(3)骨萎縮,異所化骨などの代謝異常および骨関節症(肩手症候群などを含む),(4)骨折などの偶発症に大別して述べる.
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