Japanese
English
症例の検討と反省
右手関節離断に左片麻痺を合併した症例
A case of amputation by the right wrist joint associated with the left side hemiplegia
大塚 彰
1
,
森中 義広
1
,
渡辺 義男
1
,
権田 親房
2
Akira OTSUKA
1
,
Chikafusa GONDA
2
1松山リハビリテーション病院
2新居浜駅前病院
pp.555-558
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101263
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はじめに
従来,上肢片側切断者において,能動用義手の装着率は極めて悪いという報告がなされ,私達の経験からもそれは確認されている.そして装着しないという理由はまず人間本来の感覚という重大な機能が義手には全く欠けており,運動機能が一部分にのみ限定され,又外観上の問題が考えられろ.更に決定的な理由は,健側のみでほとんど全てのADLが何不自由なく行なえるということにあるようである.ただし道具を必要とする仕事では,かなりの使用率を示している作業用義手においては,この限りではないと思われる.
しかし,使用しない可能性があるからといって義手操作訓練をおこたってはならないし,必らず実行されねばならないことを私達は最近痛感した.即ち,30年前に右手関節離断を受け,能動用義手の経験が皆無の55歳,男性が脳出血による左片麻痺をきたしほとんど日常生活において影響のなかった障害に片麻痺という新しい障害が加わったことにより,全てのADLに全介助が必要となった症例を経験したので報告する.
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