書評
脳性まひ児家庭療育の指導書「脳性まひ児の家庭療育」―ナンシーR. フィニー著 小野啓郎,他訳
寺山 久美子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.296
発行日 1971年8月9日
Published Date 1971/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100461
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‘ことCPに関するかぎり,PT,OT,STとセラピストを分断するのはよくないのではないか.CPセラピストとしての認識,つまりCPを全体としてダイナミックにとらえる姿勢をもたなくては,すぐれたセラピストたりえない’というのが私のかねてからの持論であった.この著者フィニー女史は有名なボバース夫妻のもとにあるPTであるというが,まことにその意味でCPのあらゆる面を熟知したセラピストと見受けた.CP治療歴13年という.
CPは周知のごとくやっかいな障害である.いやになって他に転向した者,毎日マンネリの中に暮らすセラピストを私はたくさん知っている.この本から想像する著者は,つねにフレッシュな気持ちでCPを細かく観察し,いろいろ試み,確かめてきた人であろう.冒頭まず著者のその努力に敬意を表したい.
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