特集 扁桃—今日の臨床指針
IV.他科領域と扁桃炎
慢性関節リウマチと慢性扁桃炎—慢性扁桃炎の診断上の見直しとfocus性病巣としての普遍性
後藤 敏郎
1
1長崎大学
pp.831-835
発行日 1985年10月20日
Published Date 1985/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210035
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.耳鼻咽喉科のなかの慢性関節リウマチ
耳鼻咽喉科の教科書をはじめとして扁桃疾患について纒まった記録の編集が試みられると,決まったようにそのなかにはfocus病巣としての扁桃炎の項目が取り上げられ,慢性多発性関節リウマチはその主要な疾患として取り上げられている。
慢性関節リウマチ患者が今日耳鼻咽喉科の臨床を直接訪うことはほとんどないといってよい。それにもかかわらずこの疾患が耳鼻咽喉科学のなかにその名を保ち続けてきているのは,急性関節リウマチの原因として急性扁桃炎が認められてきたことからして,慢性関節リウマチの場合も類推的な考え方によって,慢性扁桃炎をそのfocus性病巣とする考えが漠然と生じているからではあるまいかと思う。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.