特集 滲出性中耳炎—最新の知見—
IV.治療
私の治療法—アルコール点耳法と中鼻道開窓術
床島 廣麿
pp.865-869
発行日 1984年10月20日
Published Date 1984/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209859
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
滲出性中耳炎に対する治療法として,鼓膜側からは鼓膜切開,尿素注入法,アルコール点耳法1,2),tubingなどがあり,耳管側からは耳管通気(ゴム球,金属管),アデノイド切除,耳管扁桃切除,副鼻腔炎に対する治療としてプレッツ氏置換法,上顎洞穿刺洗滌3),下甲介高周波電気凝固術,中耳道開窓術(middle meatus window operation4)が挙げられる.これら鼓膜側と耳管側との各方法を症例に応じて組み合わせて行えばよい結果が得られると考えられる。従来,鼓膜側からの治療とくにtubingが強調され,耳管側からの治療とくに副鼻腔炎の治療がなおざりにされてきた。私は金属管による耳管通気,鼓膜切開,アルコール点耳法と,副鼻腔炎,肥厚性鼻炎,アデノイドに対して積極的に上顎洞穿刺洗滌,プレッツ氏置換法,下甲介高周波電気凝固術,下甲介整形術,中鼻道開窓術を行い,比較的短期間に好結果を得ているので報告し,御批判,追試をお願いする。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.