鏡下咡語
訪中医学交流の旅の印象
杉山 正夫
1
1大阪市立大学医学部耳鼻咽喉科
pp.1014-1015
発行日 1982年12月20日
Published Date 1982/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209541
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日中両国の医学交流は近年盛んになってきたが,我国と欧米諸国の交流に比較すれば,その歴史は浅く,絆は細い。中国には古来,独特の医学的伝統があるが,我国の医学界は明治維新以来,欧米に追随一辺倒であって,巨大な隣国への関心は極めて薄かったと言わざるをえない。しかし,中国とは大阪から上海までは空路わずかに2時間半の距離であって,民族的にも,風土的にも類似点が多く,医学的にも共通の問題をかかえている。
筆者は,1982年7月20日から約2週間,第2回大阪市立大学医学部訪中団(団長山本祐夫教援,副団長森沢成司教授)の一員として上海第一医学院付属中山病院での中国医学関係者との学術交流の機会を得た。2週間という,ごく僅かの滞在期間で中国の医学や医療について語る気は毛頭ないが,この度,医学書院,耳鼻咽喉科編集室からのお勧めもあって,ただ,ここに訪中医学交流の旅の印象を記す。非常に残念なことであるが,今回の訪中団で耳鼻咽喉科医は私1人であって,中国側の学術講演の中にも耳鼻咽喉科領域の演題は1題もなく,従って,その印象も耳鼻咽喉科以外のものになることを,あらかじめ御了承願いたい。
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