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訪中旅行だより(1)
木下 正一
pp.19
発行日 1958年6月1日
Published Date 1958/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201484
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思いがけない勧誘をうけて,私は北京市長の招待による東京都各界代表の訪中団体25名中の一員に加わりました.羽田を出たのは4月29日の朝のことでした.台北にちよつと着陸して引きつづき空路を香港に着いたのはその日の夕方でした.飛行時間は凡そ8時間です.北京まで羽田から一直線に最短路を飛ぶならば,その8時間で中共の首都に着くことができる筈なのに,今はまだ日中の国交が回復していないために,私どもは香港経由で広州(広東)に入り,ここから鉄路によれば70時間,空路によつても8時間かからないと北京にくることができないのです.
台北や香港のことについても色々おつたえしたい話もありますが,今は省略して,先を急ぐこととします.私たちは中華人民共和国に入国するのは香港から少しはなれた深圳(シンセン)というという所で税関を通り,色々の入国手続をするのです.
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