目でみる耳鼻咽喉科
鼻副鼻腔悪性黒血腫のDTICとBCG腸溶カプセルによる免疫化学療法
斎藤 久樹
1
,
朴沢 二郎
1
,
笠原 正明
1
,
福岡 敬二
1
,
山上 美情子
1
1弘前大学耳鼻咽喉科
pp.380-381
発行日 1981年6月20日
Published Date 1981/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209260
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鼻副鼻腔悪性黒色腫は,粘膜内メラノサイトから発生すると考えられており,発生部位の特殊性のために発見が遅れること,広範囲切除が難しいこと等から,その予後は,皮膚等のそれよりもさらに不良である。1974年にGuttermanらは,悪性黒色腫展例89例に対して,化学療法剤DTIC(dimethyl triazeno imidazole carboxamide)の静注に,BCGの皮膚乱切法による投与を組み合わせて治療を行い,55%の寛解を得たと報告した。われわれは,1978年から,鼻副鼻腔悪性黒色腫の治療に際して,DTICの静療と,BCG腸溶カプセル内服による免疫化療法を行っている。
治療法:①手術可能性に対しては,生検直前に凍結手術を施行し,診断確定後できるだけ早期に腫瘍摘出手術および患側頸部リンパ節廓清術を行う。②早期例,進展例ともに,初診直後からBCG腸溶カプセル(80〜100mg)の経口投与を開始し,1週間に1回の投与を長期間継続する。③DTICの静注100mg/日連日5日間を1クールとし,1〜2カ月毎に2〜5クール施行する。④局所再発は,凍結手術および摘出手術によって制御する。⑤食餌は,低フェニルアラニンチロシン食とする。
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