特集 耳鼻咽喉科と感染症
I.感染の基礎
感染と生体反応
妹尾 左知丸
1
Satimaru Seno
1
1重井医学研究所 病理学
pp.721-729
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209139
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I.はじめに
多細胞生物の体は分業を営む細胞国家の様相を呈し,外界の悪条件から遮断された好適な環境を作っている。この好適な環境は体外の別の細胞にとっても優れた環境であり,生体は常にバクテリア,スピロヘータ,その他の侵入と増殖の危険にさらされている。破壊された上皮,時には健康な皮膚をも通過して彼等は生体内に侵入する。感染をうけた生体は病原体を駆逐するために特定の防衛反応を起こす。
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