特集 耳鼻咽喉科と感染症
I.感染の基礎
感染と免疫(補体,体液性および細胞性免疫)
市村 登寿
1
,
平尾 準一
1
Tohju Ichimura
1
,
Junichi Hirao
1
1獨協医科大学第1小児科学
pp.731-739
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209140
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I.はじめに
生体が微生物の感染に対して抵抗性を示す機構を,感染防御機構(defense mechanism)とよぶ。これは,微生物の侵入部位となる皮膚・粘膜における防御機構(体表面からの微生物の除去,局所での抗微生物因子の産生,常在菌による病原菌定着の阻止),体内における非特異的防御機構(主として炎症部位に集まる移動性食細胞,細網内皮系,リンパ系),および特異的免疫反応(体液性免疫,細胞性免疫)などに分けられる。
一方,免疫系として,血清因子(補体,特異的抗体など)と細胞性因子(好中球,単球,マクロファージ,リンパ球)とに分けることもできる。
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