特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
アレルギー疾患
アナフィラキシーショック
平田 博国
1
,
林 ゆめ子
1
,
福田 健
1
1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
pp.440-444
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101573
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アナフィラキシーとは,ある原因物質により引き起こされる急性で全身に及ぶ即時型アレルギー(様)反応のことである.そのなかで,著明な血圧低下により意識障害を伴うものをアナフィラキシーショックといい,死に至る可能性が高い.アナフィラキシーを引き起こす原因物質として多いものに薬物,食物やハチ毒がある.薬物では,抗生物質・抗菌薬,非ステロイド性消炎鎮痛解熱薬(NSAID),抗腫瘍薬,造影剤,アレルギー性疾患治療用アレルゲン,最近ではリウマチ治療目的の生物製剤が報告されている.食物では牛乳,卵,大豆,ピーナッツなどが挙げられる.これらのアナフィラキシー反応の対策として予防が重要であり,薬物や食物アレルギーでは原因薬剤およびアレルゲンを問診や諸検査によって特定し,疑わしい場合も含め回避することが重要である.さらにハチアレルギーまたはハチ毒過敏症と診断された人や,重篤な食物,薬物アレルギー既往患者は,エピネフリン自己注射キットを携帯し,アナフィラキシー反応の兆候が現れた時点で使用すべきである.
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