特集 今日の耳鼻咽喉科
日常診療に必要な知識
ショック
手術によるショック
黒岩 宏
1
1伊豆逓信病院泌尿器科
pp.767-773
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208965
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I.はじめに
手術中の患者の状態は間断なく麻酔科医によつて監視されているので突然予想外にショックに陥る事は比較的少ない。特に予定手術患者では術前の患者の状態すなわち循環血液量,呼吸機能,心機能,電解質異常,内分泌異常,薬剤服用などに関して十分な情報が得られ,可能な限りの補正が行なわれているので患者が手術中に示すであろう麻酔薬剤あるいは外科的侵襲に対する反応は予知可能であり,麻酔方法の選択,術中の薬剤投与などにより予防手段を講ずる事が可能だからである。しかしながら大出血に対しては時に対応しきれず,患者がショックに陥る事がある。本稿では出血性ショックを主に検討し,さらに手術中に考慮しなければならない,低血圧をおこし得る因子についてとりあげてみる。
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